三井住友VISAが発行するANAカードは、マイ・ペイすリボを年1回利用することで年会費を割引することが可能です。
「リボ払い」と聞くだけで抵抗がある人が多いと思いますが、たった数分の返済額の調整をするだけでリボ払い手数料を数円~数十円にすることが可能です。
そのため、マイ・ペイすリボの仕組みを理解して上手く活用できればとてもお得です。
この記事では、三井住友VISAのマイ・ペイすリボの仕組みと年会費割引について詳しく解説しています。
fa-external-linkマイ・ペイすリボの最低支払額の調整手順をすぐに確認したい人はこちら
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目次
マイ・ペイリボの特徴と仕組みを解説
マイ・ペイすリボは、その名の通り「リボ払い」ですので、特徴や仕組みを理解しないまま利用すると高額な利息を支払うリスクを負ってしまうため、まずは、マイ・ペイすリボの特徴と仕組みを理解しましょう。
マイ・ペイすリボとは?
マイ・ペイすリボとは、三井住友VISAが提供する「リボ払い」サービスの1つで、クレジットカード決済時に1回払いで支払った場合でも、事前に設定した毎月の支払い金額が毎月の支払額となり、支払い額を超えた残金(未払い分)は翌月以降の弁済金として繰り越されます。
そして翌月以降に持ち越された残金に対して手数料(年利15%)が発生します。
また、残金の支払いは、増額及び減額が可能なため毎月の状況に応じて支払い額を調整することが可能です。
マイ・ペイすリボの特徴
マイ・ペイすリボの特徴は以下となります。
- ①毎月の支払いは自動的にリボ払いになる
- ②毎月の支払い金額は自由に決まられ、あとから変更することが可能
- ③臨時の増額返済や減額返済が可能
- ④手数料は実質年利15%
- ⑤利用枠は0円~200万円
- ⑥年会費が割引になる
①毎月の支払は自動的にリボ払いになる
カード利用時は1回払いで買物をするだけ。買物の際は「リボ払いで!」と言わなくても自動でリボ払いになります。
②毎月の支払い金額は自由に決められあとから変更することが可能
最低支払い金額は5,000円から最大クレジットカード利用可能額まで。月々の収入や支出のやりくりに合わせて自由に設定できます。
※ゴールドカードの最低支払金額は10,000円から
③臨時の増額返済や減額返済が可能
支払い金額確定後でも、支払い月の収支状況に応じて増額返済や減額返済が可能
④手数料は実質年利15%
実質年利15%
⑤利用枠
利用枠は0円~200万円
※カードの種類によって上限が異なります
⑥年会費が割引になる
年に1回以上マイペイすリボを利用すれば、年会費が割引になります。
ANAカードの種類ごとに割引額が異なります。
一般カードの場合は、1,073円の割引、ワイドゴールドカードは、3,850円の割引があります。
実例で見るマイ・ペイすリボの仕組みと手数料の計算方法
以下の例を画像にまとめました。
- 6月20日に40,000円を利用
- 支払日は毎月10日
- 毎月のリボ払い返済額を10,000円に設定
- 9月の返済は増額(15,000円)で返済
毎月の支払い額は、臨時増額や減額の手続きをしない限り10,000円に固定されます。支払い後残高が10,000円より少ない場合は、全額が支払い金額となるため、上記の例では10月は5,000円+手数料が支払い金額となります。
手数料計算期間
- 手数料は、締め日翌日~次回の締め日までの残高に対して計算される。
- ただし、初回のみ口座引落日翌日~締め日(3日〜5日)のみが計算期間となる。
- 手数料計算期間に口座引落(10日)が発生しリボ払い残高が変動するため、手数料の計算は、下図の①と②に分けて計算される
リボ払い手数料計算式
- 初回
リボ払い残高×15%×日数(口座引落日の翌日~締め日)÷365日 - 2回目以降
リボ払い残高×15%×日数(締め日の翌日~口座引落日)÷365日+リボ払い残高×15%×日数(口座引落日の翌日~締め日)÷365日
年1回のマイ・ペイすリボの利用で年会費を割引する方法
マイ・ペイすリボで効率よく年会費を割引にするには、リボ払い残高を最小限に抑え手数料を最小限に調整する必要があります。
また、マイ・ペイすリボで年会費の割引を適用させるには「1円以上の手数料を発生させる」という条件があります。
つまり、マイ・ペイすリボに登録するだけではなく、年に1回、リボ払い残高を発生させないと年会費の割引が適用されません。
ここで重要なことは、むやみにリボ払い残高を発生させると高額な手数料が発生し、場合によっては手数料の弁済で破綻していまうリスクがあると言うことです。
リボ払い残高 | 手数料の目安 |
1,000円 | 12円 |
10,000円 | 127円 |
100,000円 | 1,273円 |
500,000円 | 6,369円 |
1,000,000円 | 12,739円 |
2,000,000円 | 25,479円 |
上表はリボ払い残高に対する目安の手数料を一覧にしたものです。
2,000,000円(最大)のリボ払い残高があると、毎月手数料だけで25,000円を超える金額を支払うことになります。
一方、リボ払い残高が1,000円だと手数料はわずか12円ですので、リボ払い残高は多くても1,000円程度に調整することがベストです。
マイ・ペイすリボで手数料が発生するケースと発生しないケースを解説
繰り返しになりますが、マイ・ペイすリボで年会費の割引を適用させるには、「1円以上の手数料を発生させる」ことが絶対条件です。
ここでは、リボ払い残高が発生するケースと発生しないケースを例を使って説明します。
リボ払い残高が発生しない|ケース①
マイ・ペイすリボの支払金額を【30,000円】に設定して、その月のカード利用額が【25,000円】だったとすると、カード利用額がマイペイすリボの支払金額以下の金額となるので、利用した【25,000円】はリボ払い残高を残すことなく、全て指定の口座から引き落としされるためリボ払い手数料は発生しません。
リボ払い残高が発生する|ケース②
マイ・ペイすリボの支払金額を【30,000円】に設定して、カード利用額が【35,000】だった場合は、【30,000円】が指定の口座から引き落としされ、【5,000円】がリボ払い残高として残り、このリボ払い残高に対して手数料が発生します。リボ払い残高に対する利率は年利15%ですので、この場合の手数料は、約63円/月となります。
マイペイすリボの運用で年会費の割引を適用させるには、ケース②のようにリボ払い残高を残し手数料を発生させる必要があります。
このリボ払い残高を最小限に調整することで、手数料を少額(数円~数十円)に抑え、年会費の割引を適用を受けることができます。
マイ・ペイすリボの残高を最低100円以上残さないと年会費は割引にならない
マイ・ペイすリボのリボ払い残高を最小限に調整して手数料も最小限にする必要がありますが、リボ払い残高が少なすぎると手数料が発生しないケースがあります。
リボ払い残高を100円以上残すと、手数料が発生し年会費の割引を適用させることができます。
マイ・ペイすリボの年利からリボ払い残高の最低金額を検証
リボ払い手数料は年利は15%です。
手数料は日割りで計算されるため、月の日数(28日、30日、31日)によって、発生する手数料額も変動します。
- 1ヶ月が28日間:28日×15%÷365日=1.15%
- 1ヶ月30日間:30日×15%÷365日=1.23%
- 1ヶ月が31日間:31日×15%÷365日=1.27%
リボ払い残高に対する金利の目安は、上記のようになります。
月日数が一番少ない28日で計算した場合の手数料率は1.15%ですので、90円の残高で1.03円、80円で0.92円のリボ払い手数料が発生することになります。手数料は小数点以下は切り捨てられると想定すると80円では手数料は0円です。
よって、90円以上の残高を残せば1円以上の手数料が発生する計算になりますが、わかりやすくするために残高を100円以上残す運用をすることをお勧めします。
リボ払い残高が100円の場合、一番低い1.15%で計算した手数料は1.15円(=1円)です。
リボ払い残高 | 手数料の目安 | 備考 |
80円 | 0.92円 | 80円は手数料が発生しない。90円は発生しない可能性がある |
90円 | 1.03円 | |
100円 | 1.15円 | この範囲にリボ払い残高を調整する |
500円 | 5.75円 | |
1,000円 | 11.5円 | |
1,500円 | 17.26円 | |
2,000円 | 23.01円 |
※月日数28日で計算した場合の手数料の目安
リボ払い残高が2,000円でも手数料はわずか23円です。
最低100円~2,000円の範囲でリボ払い残高を残すように調整すればリスクはほぼありません。
マイ・ペイすリボの支払い金額の設定によるメリット/デメリットを解説
マイ・ペイすリボの支払い金額を設定する上で以下の3点を理解してください。
- 毎月のリボ払い支払金額(=最低支払金額)をあらかじめ設定しておく必要がある。
- 設定した毎月の支払金額を基準にして、支払金額の増額または減額申請を実施する
- 増額申請は1,000円単位で変更が可能だが、減額申請は10,000円単位でしかできない
まずポイントとなるのが、①の支払金額の設定です。
最低支払金額は、5,000円(ゴールドカードは10,000円)からご自身のカード利用限度額の範囲で設定可能です。
最低支払金額を低くした場合のメリットとデメリット
最低支払金額を低くした場合のメリットとしては、増額申請を1,000単位の調整が可能なため、手数料を最小限にすることが可能です。一方、デメリットは、毎月の金額調整を忘れてしまった場合、リボ払い手数料が高額になる可能性があると言うことです。
最低支払金額を高くした場合のメリットとデメリット
最低支払金額を高くした場合のメリットは、毎月の金額調整を忘れた場合でも、高いリボ払い手数料の支払を回避することが可能です。
一方、デメリットは、減額申請の単位が10,000円単位のため、最高でリボ払い残高が10,099円残ってしまう可能性があるということです。
①最低支払金額を10,000円に設定した場合の例
クレジット利用金額が【48,050円】だったとしましょう。
この場合、もし、増額申請をしなければ、最低支払金額で設定した【10,000円】のみがご指定の口座から引き落とされ、【38,050円】がリボ払い残高として残る事になります。(1ヶ月のリボ払い手数料は約480円)。
増額申請する場合は1,000円単位で変更可能なので、最低支払金額の【10,000円】にプラスして【38,000円】を増額申請することが可能です。
しかし、これでは、リボ払い残高が【50円】となり残高が100以下となるため、リボ払い手数料が発生しません。
手数料を1円以上発生させるために、リボ払い残高は最低100円は残したいので、この場合、【37,000円】を増額して、支払金額を【47,000円】にし、リボ払い残高を【1,050円】します。
リボ払い残高【1,050円】に対するリボ払い手数料はわずか13円です。
13円の手数料でVポイントが2倍になるので十分に元がとれます。
②最低支払金額をご自身のクレジット利用金額の上限に設定した場合の例
仮にご自身のクレジット利用金額の上限が100万円だった場合で、最低支払金額は100万円とした場合、毎月のクレジット利用額が100万円を超えることはないので減額申請をしない限り、利用したクレジット利用額全てが必ず決済されリボ払い手数料が発生しないため、Vポイントは2倍にはなりません。
そのためVポイントを2倍にするには、10,000円単位の減額申請でリボ払い残高を調整する必要があります。
①の例と同じようにクレジット利用額が【48,050円】だったとしましょう。
減額申請する場合は、【10,000円】単位での申請となるので、【40,000円】まで減額申請をすることが可能です。
よってリボ払い残高は、【8,050円】となり、リボ払い手数料が約102円発生することになります。
③毎月の支払金額をその他の金額で設定した場合
ご自身のクレジット利用金額が100万円で最低支払金額を【50万円】に設定した場合で、①の例と同じようにクレジット利用額が【48,050円】だったとしましょう。
もし、減額申請をしなかった場合は、クレジット利用額の【48,050円】は支払設定額50万円以下となりますので、【48,050円】全てがご指定の口座から引き落としされ、リボ払い残高が【0円】になるため、ボーナスポイント2倍分の穏健は受けられなくなります。
その代わり、減額申請を忘れた場合に、余計なリボ払い手数料を支払うリスクがありません。
減額申請する場合は、②と同じ手順でとなるので、【40,000円】まで減額申請が可能です。よってリボ払い残高は、【8,050円】となります。
もう一つの例として、クレジット利用額が最低支払金額の【50万円】を超えた場合、例えばクレジット利用額が【60万円】だったとします。
この場合、①の例と同じ手順となり増額申請で【1,000円単位】の調整をとなり【99,000円】の増額申請が可能で、【1,000円】のリボ払い残高が残ります。
一方、このパターンで増額申請を忘れた場合は、支払設定額の【50万円】のみが設定され、【10万円】がリボ払い残高となりリボ払い手数料が約1,200円発生します。
ですので、最低支払額を最低金額に設定しない場合は、中途半端な金額に設定するのではなく、ご自身のクレジット利用枠の上限金額を設定することをお勧めします。
①~③の例を紹介しましたが、③の選択はあまりお勧めしません。①か②の運用がシンプルで分かりやすいのでどちらからをご自身で決めて運用することをお勧めします。ちなみに筆者は①で運用しています。
マイペイすリボのリボ払い手数料を最小限に調整する手順
約3分の調整でマイペイすリボのリボ払い手数料を最小限にすることが可能ですのでその手順を解説します。
支払い金額確定日~5日を目安にリボ払いの臨時増額・減額調整を実施する
毎月1回のリボ払い金額の調整日は、支払い日により異なります。
- 10日が支払日の場合は、25日~月末
- 26日が支払日の場合は、10日~15日
10日が支払い日の場合
10日支払い日の場合は、毎月25日が支払い金額確定日となるため、25日~月末を目安にリボ払い金額の調整を実施してください。
※引き落とし銀行により金額調整をする期間が異なりますのでご注意ください。
26日が支払い日の場合
26日支払い日の場合は、毎月10日が支払い金額確定日となるため、10日~15日を目安にリボ払い金額の調整を実施してください。
※引き落とし銀行により金額調整をする期間が異なりますのでご注意ください。
マイ・ペイすリボの支払い額臨時調整の手順(増額申請)
実際の臨時調整の手順を解説します。
手順は増額申請の解説ですが、減額申請でも基本的な操作は同じです。
※支払い日が10日
※リボ払い金額を10,000円で設定
支払い金額確定日に(確定日が祝日の場合は、翌営業日)に、下記のメールが届きます。
このメールが届いた時点で、増額申請又は減額申請を実施して下さい。
※キャプチャ画像が少し古いですが、調整方法は大きく変わっていないので参考になると思います
- ①毎月25日までは利用金額の合計額が表示されている。
※2019年4月16日~2019年5月15日までの利用額の合計 - ②毎月26日に(26日が土日祝の場合はその翌日)翌月10日支払い額に表示が変わるので、【明細を確認する】をタップする
※支払い金額を10,000円で設定。9円は前月のリボ払い残高に対する手数料。 - ③【お支払額変更】をタップすると画面下部に変更方法が表示されるので【リボ払いお支払金額の変更】をタップする
- ④【増額を申し込む】をタップ
- ⑤【次回お支払金額(最低お支払金額)にご希望の金額を増額する】をタップ
- ⑥【現在のご設定内容】の「+」をタップすると【追加お支払額可能額】が表示される
※この金額が増額可能額となる。増額は1,000円単位で可能。 - ⑦【一部追加して支払う】の【ご希望追加お支払い金額】を入力し【確認する】をタップする
※この際必ず100円以上がリボ払い残高に残るように金額を設定してください。
- ⑧【お申込みありがとうございました】が表示されると手続きは終了です。
※翌日以降に【お支払金額】の表示も増額手続き分を加算した金額に変更されます。
増額または減額申請後は以下のメールが届き、申請が受け付けられたことが確認できます。
増額又は減額申請の処理が完了すると(申請から1~2日後)、以下のメールが届きます。
これで臨時増額・減額の処理は完了です。
臨時増額申請の補足
例で説明した手順の補足です。
下の画像は、臨時増額した後の明細となりますので、画像でご確認ください
マイペイすリボのリボ払い手数料を最小限に調整する手順を動画で見る
※少し古い動画ですので、画面構成等が変更になっていますが、手順のイメージはつかめると思います。
※「Vポイントを2倍」と表記されてますが、この特典は廃止になっています。
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「マイ・ペイすリボを理解して返済額を調整することで効率よく年会費の割引を適用させる方法」のまとめ
- 三井住友VISAが発行する ANAカードは、マイ・ペイすリボに登録して、1円以上の手数料を発生させることで年会費の割引を適用させることができる。
- マイ・ペイすリボの手数料を発生させるために、リボ払い残高を残す必要があり、リボ払い手数料を安くおさえるために支払い金額の増額又は減額申請を実施する必要がある。
- 増額または減額申請は、支払い金額確定日(10日又は25日)以降に実施し、申請期限は、ご自身が利用している引き落とし銀行口座によって異なる。
※支払い金額確定日~5日を目安に申請することが望ましい。 - リボ払い残高は、【100円】以上残すよう増額又は減額申請を行う。
※リボ払い残高が【100円】以下の場合、リボ払い手数料が発生しない可能性がある - 増額申請は、【1,000円】単位で調整できるが、減額申請は【10,000円】単位でしかできない
- 最低支払金額を最低金額の【10,000円】に設定する場合のメリットは、リボ払い残高の増額申請が【1,000円】単位で行えるため、リボ払い残高を100円~1,099円の範囲に抑えることが可能である。一方、デメリットは、毎月の増額申請を忘れた場合に、リボ払い手数料が高額になるリスクがある
- 最低金額をご自身のクレジット利用可能額の上限に設定した場合のメリットは、毎月の減額申請を忘れた場合でも、リボ払い残高が残ることがないため、余計なリボ払い手数料を支払う必要がない。一方、デメリットは、毎月の減額申請を忘れた場合、リボ払い残高が【0円】になってしまう。また、減額申請は【10,000円】単位となるため、最大で【10,099円】のリボ払い残高が残る可能性がある。(10,099円のリボ払い手数料は、約128円/月)